昨年１２月中旬、大学時代の音楽サークルの知人で、ニューヨークで仲良くなったYちゃんと キューバに行った。キューバも初めて、彼女との旅行も初めて。ここ数年でアメリカとキューバの関係改善が始まり、 昨年７月、ハバナには５４年ぶりで米国大使館が再開した。とはいえ、キューバを合法的に訪れることが出来るアメリカ人は依然として、キューバに家族がいる人々や外交官、ジャーナリスト、芸術やスポーツ・教育目的など１２のカテゴリーに当てはまる人々のみ。両国の国交が完全に正常化してアメリカ人観光客が押し寄せる前に、日本のパスポートの特権を生かして、アメリカナイズされる前のキューバの姿を見ておきたいという意見が一致しての二人旅となった。
JFK空港11:04発、3:15PMカンクン着、Jet Blue便。アメリカからキューバへは直通便がないので、メキシコかカナダ経由になる。入国手続きの列は長いが早い。スーツケースのピックアップも最短記録。
空港—ホテル往復のsuper shuttleを予約。２社並んでいるが料金は一緒。朝のホテルピックアップはなく、乗り合いでなく貸し切りになる。往復US$32。往復だと50％オフになるという宣伝で、片道と値段が一緒。シャトル乗り場のすぐ脇にメキシカンビールの売店。蒸し暑い。
４時半頃Fiesta Americanaホテル着。
水着に着替えてホテルのビーチへ。隣のホテルのビーチの方がよかったのでそちらへ。海はきれいだが少し冷たい。ゴージャスな夕焼け！
チープでカラフルなメキシコの工芸品を爆買い。１０年ほど前にメキシコを訪れた際に、それらの工芸品の魅力を発見、もっと買ってくればよかったと後悔したので、今回は買いまくった。これからキューバに行くのに、すでにスーツケースいっぱい買ってしまったが、それでも１５０ドルくらいという、お買い物天国カンクン。
Flea Market : ノイズメーカーX2とカラフルな木＆リボンの細工物。$40を＄30にまけさせたが、ぼられた。首振り木のネコX4=$10. 写真はハバナ空港で買ったチェのマグネットを囲んで会議している動物たち。
Selecto Chedrani (スーパーマーケット)：グラインダー付きメキシカンソルトX２ ８８ペソ（約５ドル）（アボカドやトマトのサラダにはもちろん、天ぷらにかけても美味）
12/11
カンクン12:17PM発〜ハバナ13:30 着 、アエロメヒコ便。
カンクン空港で、メキシコの旅行社からキューバ旅行の航空券とホテル・バウチャーを入手。搭乗券が裏紙に印刷してある！チェックイン後朝食。メキシカンが食べたかったが、アメリカ資本のチェーンしかなく、「ジョニー・ロケッツ」でハンバーガーとフライドポテト、メキシカンビール。売店でターコイズとオフホワイトのわら細工と銀のネックレス（$24）＆ピアス（$4,75）購入。
機内では、乳児のいる夫婦の隣になってしまったところ、男の添乗員が来て、空いている席に移動したいかと尋ねる。夫婦もその方が気楽そうで、男の方は「僕も移動できたらなあ〜 」と冗談。１時間弱の短いフライトだが、飲み物やスナックのサービスもテキパキしていて、好印象。
上空からのカンクンとその周りの海の光景は宝石のよう。空から見たキューバは葉巻のような形の島で、緑がとても豊かだ。ほとんどが、ど田舎で、ハバナのほかに目立つ都市は数カ所しかなく、その規模も小さい。農場は直線や円で構成され、円の中がきれいに２〜３等分されていて、計画経済という言葉を連想させる。中国のように、何もないところに道路がばーんと走っている。アメリカと完全に国交回復し、資本主義経済が本格的に導入されたら、都会と農村や貧富の差がますます広がるのでは？でも中国と違うのは、気候が温暖で、土地も豊かそうなので、 凍死や飢え死にの心配はなさそうだ。食物も配給制だし。国土が比較的狭いのも、変化に適応しやすいだろう。
ハバナ、ホセ・マルティ国際空港。小さい空港だが、旅行者やホテルの出迎え、タクシーの呼び込みなどで活気がある。カンクンよりさらに蒸し暑い。入国手続きの列にたっぷり３０分並ぶ。入国は、ツーリストカードにスタンプを押してもらい、パスポートに押さないよう係員に頼む。出国時も同様。米大使館がハバナに再び設置されたとはいえ、 キューバに行けるアメリカ人のカテゴリーが限られている現在では、グリーンカード保持者としては今まで通り、キューバに行かなかったことにしておいたほうが無難。
空港のトイレは、紙を流さない形式で、中国やギリシャの島で経験済みだが、紙を必要なだけ渡してくれる女性係員が2人いるのがキューバらしさか。用を足している途中で、大の方がしたくなったらどうするのか気になる。
ホテルまでの乗り合い送迎車がすでにいたので、空港両替所の列を横目で見つつ、車に乗り込む。空港から１時間ほど走って、３時過ぎにハバナ旧市街のホテル・プラザに到着。チェックインは４時で、受付のおばさんは「４時から！」と 融通の利かない社会主義的感じの悪さ。荷物を預かってもらい、何はともあれ、円をペソに両替に行く。その後１時間ほど円を両替できる場所を探して歩き回るはめになり、空港で両替しておけばよかったと悔やむ。
一番近くの銀行にホテルのおじさんが連れて行ってくれるが、３時で閉めたばかり。おじさんが教えてくれた別の銀行に向かう途中で、クラシックカー・タクシーの客引きのイケメン黒人兄ちゃんトニーにつかまる。何しろ着いたばかりで一文無し、右も左も分からないので、彼について旧市街一番の繁華街オビスポ通りへ。やや不安を覚えないでもないが、人通りの多いところなので、何とかなると腹をくくる。最初行った銀行では円が両替できず、両替所で行列に並び、やっとペソを入手。３万円が239CUC（兌換ペソ）。その間、ずっとトニーも待っている。お礼に３CUCを渡そうとするが断られる。１米ドルが１CUCの感覚。
写真は両替所の列。いつも長い列が出来ているわけではなく、これは若者の団体の列。
トニーにこれからどうするのかと聞かれ、暑い中歩き回ったので、とりあえず何か飲みたいと言ったら、「ブエナビスタ・ソーシャルクラブ」のピアニストが演奏していたというカフェに連れて行かれる。女性シンガーとバンドが演奏している。 どこのカフェやバーも演奏のレベルは高い。特製ブエナビスタ（？）カクテル７CUCくらい。モヒートにピンクのグラデーションが付いている。後で分かったが、ほかのところではモヒートは2.5〜5CUCくらいだったので、観光客値段でぼられた。美味しいけど薄い。女性シンガーが履いている、ナイキのロゴのついた、パチモンのスニーカーヒールが可愛い。ドラッグクイーンのお友達に海外で買ってもらってきたのかな？
ついにチェックイン。プラザという名前通り、１８９５年に建てられた歴史あるホテルで、アンナ・パヴロワが泊まったこともある由緒ある建物だが、今はただのぼろっちいホテルだ。暗くて狭くて、ただ寝に帰るだけの部屋。トイレも紙を流さない式。ロビーは噴水やステンドグラスがきれいだけど。トニーに言わせると「最悪！」なホテルだそうだ。
両側に並木が植えられている遊歩道Paseo del Pradoを、海岸沿いのマレコン通りまで歩く。クラシックカーの写真を撮っていたら、アーティストのお兄ちゃんが自分のアトリエの写真も撮れと言ってくれた。
夕日とクラシックな建物、クラシックカー、海沿いの堤防に座る地元の人々や観光客を眺める。トロンボーンの練習をしつつ、観光客相手にお金を稼ぐドレッドロックの黒人兄ちゃん。この兄ちゃんは、後で旧市街のカフェに出演していた。
毛の固い犬がついてくるので、しばらく一緒に歩く。ペルーのリマ同様に、 多くの野良犬が昼間、道ばたで倒れるように寝ている。犬も猫も毛並みが悪く、やせていて、人見知りの子が多い。昼間、両替所に行く途中で、車の下で３−４匹固まって寝ている猫がいた。
ヘミングウェイ行きつけのバー＆レストランLa Bodeguita Del Medioで夕食。モヒートが有名だが、ここも薄い。フライドポーク、海老シチュー、ライス＆ブラックビーンズ、フライドポテト＆プランテン、キューバのビール。２人で41 CUC.
Plaza de la Cathedral にあるPalacio de los Marqueses de Arosのギャラリーのオープニング・レセプションで甘〜いデザートワインのようなワインをただ飲み。
オビスポ通りを中心に、音楽のする方に歩いてホテルへ戻る。古書店には英語の小説なし。
ホテルに戻りシャワーを浴びる。ニューヨークで留守番している夫に電話しようとしたが、国際電話とインターネットは朝８時から夜の８時までしか使えないと言われる。
タクシーでJAZZ CAFÉへ。カバーチャージ10 CUC。ドリンクは別なのかと思ったら、カバーチャージから引かれる良心的なシステム。モヒート、ダイキリなど2.5CUC. バンド（César López y Habana Ensemble)は技術的には完璧だが、ミューザック風ジャズ、パット・メセニーの引用、フュージョン風、クルーニングな甘いボーカルのラテンジャズなどで、私の好みではない。びっくりしたのは、Yちゃんが先週ハーレムで見た、日本人監督が撮ったドキュメンタリー映画「Cu-Bop」にフィーチャーされた人たちだったこと！世界は狭いね。
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