午後2時半に家を出るが、JFK空港まで普通30分ほどのところを1時間45分かかる。金曜午後の渋滞を予想して早めに出たので問題なかったが、イエローキャブの運転手はあまり感じが良くなかった。蒸し暑い日なのに何も言わずに突然エアコンを止めるからどうしたのかと思っていたらガス欠寸前だったらしく、ガソリンスタンドに行くと言われてびっくり。スイスエア運航のユナイテッド航空夜行便でニューヨーク午後5時35分発。一緒にチェックインした夫は席が離れてしまい、夫の隣の人と代わってもらう。
6/25(土)チューリッヒ
朝8時、チューリッヒ空港に到着。
当然眠いが、上空からスイスの朝の山並みと湖、緑、畑を見て目が覚める。
空港では入国・税関書類なしでパスポートチェックだけ。今まで行った国の中でいちばん早い入国。
ホテルまでの無料シャトルバスがあるはずなのだが、無料でないバスに当たってしまう。ホテルまで20分ほどで、ドライバーは3.9スイスフラン(three ninety)と言っていたのに4スイスフラン(以降フラン)出したら怪訝な顔をされた。39ドルを意味していたらしい。雨だったし疲れていたので、タクシーの半額ほどだから仕方がないことにする。ちなみに旅行中のスイスフランの相場は1フラン=1.03米ドル。
空港では入国・税関書類なしでパスポートチェックだけ。今まで行った国の中でいちばん早い入国。
ホテルまでの無料シャトルバスがあるはずなのだが、無料でないバスに当たってしまう。ホテルまで20分ほどで、ドライバーは3.9スイスフラン(three ninety)と言っていたのに4スイスフラン(以降フラン)出したら怪訝な顔をされた。39ドルを意味していたらしい。雨だったし疲れていたので、タクシーの半額ほどだから仕方がないことにする。ちなみに旅行中のスイスフランの相場は1フラン=1.03米ドル。
booking.comのアプリを通して、9時ごろチェックインしたいとホテル(Hotel du Théâtre By Fassbind)に伝えておいたら、部屋が用意されていた。海外できちんと使える携帯を持って旅するのは初めてなので、便利になったもんだと感心。170ドルもする部屋なのに、場所は観光に便利な旧市街で最高とはいえ、エアコンもなく、入り口の電気もつかない。ただ対応は早く、電気はすぐに直し、扇風機を貸してくれる。シャワーを浴びて出かける。雨がやむ。
旧市街の散策へ。すべて歩き。
プレディガー教会(Predigerkirche)。 アンティークのオルガンが美しい。
Augustenstrasseを通り、聖ピーター教会(Peterskirche)へ。
フラウミュンスター教会(Fraumünster)は結婚式で入れなかったので、先にグロスミュンスター大聖堂(Grossmünster)へ。教会での式が終わり、少女たちの先導で花嫁花婿が登場、その後にミュージシャンが続く。そのまま広場でパーティー。
グロスミュンスター大聖堂
大聖堂扉
ドイツ人画家/写真家ジグマー・ポルケ(Sigmar Polke)による2009年制作のステンドグラスがユニーク。写真は購入した絵はがき。
夫は飛行機の中では眠れず、睡眠不足と時差ぼけで疲労がピークに達し、険悪になりそうになったのでランチ休憩。スマホにSIMカードを入れておらず、よくわからない場所での待ち合わせが2人とも不安なのでとりあえず休憩。
フラウミュンスター広場のカフェでハム&チーズトースト、ツナトースト。分量は多いが味は朝のカフェより劣る。スイスは物価が高いが、レストランはニューヨーク値段でもボリュームがアメリカサイズよりも多い。価格の中にサービス料15%と消費税8%があらかじめ含まれていて、チップがないからか、サービスもあまり良くない。
ビュルクリプラッツ・フリーマーケット(Burkliplatz flea market)は水辺にあるフリーマーケット。チューリッヒで最大規模のフリマらしいが、思っていたより小さい。内容は玉石混交で、玉は見るのに楽しいが高すぎる。100年以上前のブリキの小さなビルボックスが120フラン。
彼の本業は建物の管理人で、アメリカとスイスの両方ではがきの買い付けをしている。スイスはアメリカより物価は高いが暮らしやすい、保険も高いが内容が充実しているそうだ。でも家を持つことはできず、スイスから出ることはできないと言っていた。
フラウミュンスターに戻り、シャガールとアウグスト・ジャコメッティ(アルベルトの父の従兄弟)のステンドグラスを見る。アウグストのステンドグラスはグロスミュンスターにもある。猛烈に雨が降り出してきたので雨宿り。
チューリッヒ美術館 (Kunsthaus)に着く直前にまた雨で、数分雨宿り
チューリッヒはダダイズム誕生100周年で、フランシス・ピカビア展はそのメインイベント。ピカビア作品はあまり知らなかったが、ダダだけでなく、くるくる変わるスタイルとそれを取り入れる才能と実力、ユーモアを感じた。
私のいちばんのお気に入りは、ピカビアが台本を書いてルネ・クレールが監督し、サティが作曲した短編映画「Entr'acte(幕間)」。マン・レイとマルセル・デュシャンが突然水をかけられるまでチェスをする場面などで有名な、シュールな無声コメディだ。リズムとスピード感、ユーモアにあふれ、新鮮な驚きに満ちた、密度の濃い実験映画。夫はキュービズム作品が気に入り、オーディオガイドの内容の充実に感心していた。
ジャコメッティの部屋も「歩く人」など充実。ジャコメッティの彫刻はミニマルさのゆえに、その動きの前後と空間を想像させ、緊張感で数点見ただけでもお腹一杯になる。個展以外ではいちばん充実した内容と点数だった。
ダダの雑誌を思わせるスタイルでコラージュされた、ピカビアのアルバムを購入。ピカビアの最後の妻オルガのアルバムを元に編集されたもの。
カフェに向かう階段
「DADA」アブサン
ホテルに徒歩で向かう。10分くらい。チューリッヒと違い、駅の近くにホームレスがいる。黒人も比較的多い。より工業都市で、チューリッヒよりさらにドイツに近い国境の街だけに、人や人の装いがよりドイツ的な印象。
ホテル(Steinschanze Stadhotel)の前で、今回の旅のそもそもの目的である、シュトックハウゼンのオペラを見に来た人々に出くわした。夫が昨年夏、ドイツのキュルテンで開かれたシュトックハウゼンのワークショップに参加した際に知り合った人々だ。ばったり出くわす感は、工業都市なのに小さな街の感じ。チェックインして旧市街へ。
オペラの会場Theater Baselの横にはティンゲリーの噴水(Tinguely fountain)
劇場前にはリチャード・セラの彫刻
以上最低限の観光を終え、遅めのランチ。メインストリートの脇を入ったベジタリアンカフェTibitsのビュッフェで野菜補給。白ワインも補給。美味。チューリッヒ駅の出店で買った老舗チョコレート店シュプリングリ(Sprüngli)のミニマカロン、ルクセンブルグリ(Luxemburgerli)をデザートに。口の中でとろける絶品!!
4時にシュトックハウゼン作のオペラ「Donnerstag aus Licht(光から木曜日)」開演。2回の休憩を挟んで終演は10時近くだったが、飽きなかった。2回目の休憩は1時間だったが、夫がワークショップで知り合った人々とオペラの話をしたりして、ああオペラとはこういう風にゆっくり楽しむものだなあと思った。
開演前ロビー
開演前ロビー
ロビーから見た通り
導入部の「greeting」は、劇場ロビーに作られたステージで演奏される。切符がなくても誰でも無料で見られる。開演前に客席をミュージシャンが歩き回る。男女とも70年代風スーツにボウタイを締め、酒を飲みたばこを吸う。
劇場内に移動し、1幕目が始まる。
1幕目はシュトックハウゼンの生い立ちに基づいた家族ドラマ。
バセットホーンを演奏し、主人公の1人であるMONDEVAを演じたMerveは、
夫がシュトックハウゼンのワークショップで知り合ったミュージシャン。
台詞なしでテンポの速い、主人公が世界を旅する2幕目がいちばん面白かった。回転舞台と鏡を使用した演出で、音楽も演奏も素晴らしかった。
アンコール
最後の“Farewell”は、5人のトランペット奏者が劇場の外で演奏し、観客も外に出る。演奏は、ばらばらの方向の頭上から交互に、たまにオーバーラップして聞こえてくる。
コアなシュトックハウゼン・ファンでない私には、前衛的だがとっつきやすい楽しめる舞台で、バーゼルまで来て珍しいオペラが見られて満足だった。だが、一部のコアなファンにとっては、スコアに書かれているシュトックハウゼンの指示や演出の削除・変更があまりにも多く不評らしい。
確かに、1幕目の最後で音楽学校に入学を許可された主人公ミヒャエルが、2幕目では、実際の世界でなく精神病院の中で世界を旅するという設定に変更され、音楽学校と精神病院が並行に存在するように描かれるが、そうした新解釈は最後に解決されていない。3幕目では、期待していたミヒャエルとドラゴンとの戦闘シーンはなく、ドラゴンの代わりにゴスロリな衣装のドラッグクイーンがケーキの中から出てくる。最後の戦いも、悪魔が戻ってきたと登場人物の一人が言うだけで必然性がなく、盛り上がりに欠ける。最後のミヒャエルの独白も長すぎた。
完璧ではないものの、遠くまで見に来る価値はあったと思う。NYではアーモリー以外でこの舞台を上演する場所があるとは思えないし、ドイツ語圏でドイツ語のオペラを見るのは、土地のワインを味わうように、地元でなければ感じられないものがあると思うからだ。
終演後に出演者3名と話したところ、当然ながら彼女たちは、21世紀の新しい試み、新解釈として評価していた。
主人公の1人MONDEVAを演じたMerveと話す。夫がシュトックハウゼンのワークショップで知り合った、イスタンブール出身でフランクフルト在住の優れたミュージシャンで、超ナイスな女性!
Merveに誘われて、劇場裏手で開かれているキャスト/スタッフ・パーティーに参加。
完璧ではないものの、遠くまで見に来る価値はあったと思う。NYではアーモリー以外でこの舞台を上演する場所があるとは思えないし、ドイツ語圏でドイツ語のオペラを見るのは、土地のワインを味わうように、地元でなければ感じられないものがあると思うからだ。
終演後に出演者3名と話したところ、当然ながら彼女たちは、21世紀の新しい試み、新解釈として評価していた。
主人公の1人MONDEVAを演じたMerveと話す。夫がシュトックハウゼンのワークショップで知り合った、イスタンブール出身でフランクフルト在住の優れたミュージシャンで、超ナイスな女性!
Merveに誘われて、劇場裏手で開かれているキャスト/スタッフ・パーティーに参加。
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